富岡製糸場の主な建物
富岡製糸場の主な建物は、下の図で判るように、東繭倉庫(東置繭所)西繭倉庫(西置繭所)繰糸場の三棟がコの字型に配されています。この三棟は2014年の12月に国宝に指定されました。繰糸場は採光を考慮して南向きに建てられています。 ↓クリックすると画像が拡大されます↓富岡製糸場 西置繭所(にしおきまゆしょ)国宝
大量の繭を貯蔵したもう一つの繭倉庫 西置繭所
富岡製糸場には東と西に繭倉庫が1つずつ有ります。こちらは西にあるため西置繭所と呼ばれています。
東置繭所とは距離を離して建てられました。それは、乾燥場で繭を石炭を燃やした熱で乾燥させた後、倉庫でも自然乾燥をさせるために、風通しを良くする必要があったからです。
アーチがないこと、窓の数が異なることを除けば東繭倉庫とほぼ同じ造りをしています。
当初、1階の北半分はレンガの壁がなく、柱だけの造りで、燃料となる石炭置き場として使用されていました。
現在のようなレンガの壁に改造されたのは、1981年(昭和56年)です。
よく見ると判りますが、1階と2階では、煉瓦の積み方が違います。
後から煉瓦を積んだ1階は、平積みで、当初から有る2階はフランス積みとなっています。
西置繭所 片倉西通りから
西繭倉庫(西置繭所)は2015年度から保存修理工事が始まっていて、当初は近くで見ることは出来ませんでした。 上の写真は、西置繭所の片倉西通り(西側道路)から2015年7月に撮ったものです。 解体した部材に、雨や風が当たり腐食や傷みが起きないよう素屋根で覆っています。 素屋根の取り付けは、西繭倉庫(西置繭所)の屋根等に工事部材の落下や接触で傷つけないよう、北側で組み立て、南にスライドさせる方式をとっています。(国宝ですから) 2019年4月1日から屋根の修復保存工事がおおむね完了しましたので、仮設の素屋根(覆い屋)の撤去作業に入るため、西置繭所と鉄水溜の見学は出来きなくなりました。6年に及ぶ保存修復工事が終わり、2020年には多目的ホールや、 ギャラリーとして生まれ変わります。完成予想動画をご覧ください。保存修理の様子はココをクリック(外部サイトです)
富岡製糸場 西置繭所の大きさ
長さ104.4m、幅12.3m、高さ14.8m 建築面積 1486.60㎡ 構造形式 木骨煉瓦造、二階建、北面庇・西面及び南面ヴェランダ付、桟瓦葺(さんかわらぶき) おおむね東置繭所と同じ形式になりますが、ヴェランダが東面と南面に附属し、東西通路がなく、一階窓上部を煉瓦壁としないなどの違いがあ ります。参考文献:文化庁 国指定文化財等データベース
画像提供 撮影協力:富岡市 富岡製糸場