富岡製糸場の主な建物
富岡製糸場の主な建物は、下の図で判るように、東繭倉庫(東置繭所)西繭倉庫(西置繭所)繰糸場の三棟がコの字型に配されています。この三棟は2014年の12月に国宝に指定されました。繰糸場は採光を考慮して南向きに建てられています。 ↓クリックすると画像が拡大されます↓富岡製糸場 繰糸所(そうししょ) 国宝
繰糸場は繭から生糸を取るために造られた富岡製糸場では重要な建物です。 2014年12月には国宝に指定されました。 繰糸場を外から見た大きな特徴は、屋根の上にもう一つの屋根があることです。(越屋根) これは繰糸場内でお湯を使って糸を取る作業をしていたため、その蒸気を逃がして換気するためのものでした。 窓が大きく数が多い点も繰糸場の特徴です。 当時、日本には電灯が無かったため、細い糸をとる作業では、明るい空間が必要でした。 そこで、外からたくさんの光を集め、作業をしやすいように工夫した建物となっています。 また自然な光を取り入れるため、建物を東西に長い造りにしました。 建設に使われた窓ガラスや鉄製の窓枠、ガラスと窓枠を固定知るための「パテ」等は、主にフランスから輸入されたと言われています。 現在も窓枠やガラス等は当時のまま保存されています。 当時世界最大規模を誇った繰糸所(場)です。 繭から糸を取り出す「繰糸」を行う建物として、明治5年建設されました。
屋根の上には越屋根が有る燥糸所
(湿度・温度)を逃がして換気をするための やぐらの屋根(越屋根、天窓ともいう) 絹産業遺産群の田島弥平旧宅でも、この方法が用いられていて「清涼育」の原点ともされている。 屋根だけを見れば、日本家屋のように見えましが、実はこの建物も「木骨煉瓦造」です。燥糸所の採光用ギヤマン(ガラス)
細かい仕事には明るさが要求されましたが、当時の日本には電灯が有りませんでした。 西向きの大きな窓からは、自然な光が取り入れられるようガラスが多用されました。 写真は北側の窓です。内部は公開されていますので見学して確認してください。長さ141.8m、巾12.6m、高さ11.8m、木骨煉瓦造、建築面積1,726.92㎡ 東面玄関附属、桟瓦葺
参考文献:文化庁 国指定文化財等データベース 写真提供:富岡市 富岡製糸場