世界遺産で国宝の富岡製糸場の繰糸所の設備は当時のまま保存されています

富岡製糸場の主な建物

富岡製糸場の主な建物は、下の図で判るように、東繭倉庫(東置繭所)西繭倉庫(西置繭所)繰糸場の三棟がコの字型に配されています。この三棟は2014年の12月に国宝に指定されました。繰糸場は採光を考慮して南向きに建てられています。 ↓クリックすると画像が拡大されます↓ 富岡製糸場の建物配置図

富岡製糸場 操糸所設備

上の写真は 富岡製糸場の操業当初に、フランスから輸入して、日本人の体形に合わせて改良して設置された300釜のうちの2釜の繰糸機械です。 写真の現物は岡谷蚕糸博物館に展示されています。 繰糸所では300人の工女が一度に作業する事ができました。当時、富岡製糸場は蒸気エンジンを使った世界で最も大きな製糸場の一つでした。 繰糸機は工場建設の指導者である、ポール・ブリューナがフランスから輸入しました。 ポール・ブリューナは日本人女性の体型や、日本の湿度の高い気候に合わせて繰糸機を改良しました。 又、動力となる蒸気エンジンの燃料として現・高崎市から掘り出された亜炭(石炭の一種)が使われました。

富岡製糸場のフランス式操糸器のレプリカ

富岡製糸場では、フランス式操糸器のレプリカで、繰糸の実演を毎週月~金(祝日を除く)行っています。 繭は、富岡市民のボランティア(市民養蚕)で作られれた富岡産を使用しています。

富岡製糸場の自動操糸器

現在富岡製糸場には、片倉工業が操業を停止(1984年昭和59年)した時まで稼働していた、日産製の自動操糸器が展示されています。 これ以後、自動操糸器は日本国内では製造されていませんので、この操糸器は日本では最新式と言うことになります。 これとほぼ同型の操糸器が今でも現役で動いている場所が有ります。旧・碓井製糸農業協同組合(新・碓井製糸株式会社)

現役の自動操糸器

参考文献:「岡谷蚕糸博物館所蔵繰糸機群の「機械遺産」認定について」のPDFファイル
動画: 一般社団法人安中市観光機構 YouTube より
写真提供:富岡市 富岡製糸場

 

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